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インタビュー

<酒米とその産地> インタビュー:酒喵逛日本・酒喵さん

日本酒の酒蔵旅を実践する先輩が、初心者に贈る旅のヒント

酒喵(ジウミャオ)さんは、Seanがずっと尊敬してきた先輩です。尽きることのない日本酒の知識を持つだけでなく、自ら各地へ足を運ぶ「酒旅」の実践者でもあり、ブログでは日本各地の日本酒イベントや酒蔵での見聞を発信し続けています。今回はこの企画をきっかけに、光栄にもインタビューをさせていただくことができました。酒旅のこと、そして今回の酒米についての彼女の考えを、ぜひ知っていただければと思います。

Q1. 仲間内では、酒喵さんの特殊能力は「瞬間移動」だと有名です。日本各地のイベントに参加していたかと思えば、次の瞬間には台湾のお酒のイベントにいる。どうしてそんなに頻繁に日本へ行けるのですか?

日本酒が好き(あと動物園めぐりも)というのは別として、理由はだいたい3つあります。ひとつは、今の台湾と日本を結ぶ便や就航地がとても充実していること。そのおかげで柔軟に動けて、長距離の移動手段にはまったく困りません。2つ目は、時間に融通が利くこと。私は今フリーランスなので、時間を自分でコントロールできます。3つ目はとても現実的な話で、十分なお金があること。格安の航空券や宿を見つけても、旅費を払えなければ行けませんからね。特に自由に使える時間というのは大きくて、日本酒が好きでも、一般の会社員という立場だと、自由に酒蔵を訪ねたり酒造りのイベントに参加したりするのは、現実にはなかなか難しいんです。休みを取らなければならないし、会社の休暇のルールも気にしなければならない。これは、私が日本酒の入門知識や酒蔵旅のコツを広める活動をしている中で、いちばんよく聞かれる悩みでもあります。長い休みが取れるのはせいぜい年に1回。さらに問題は、一緒に旅行する仲間も酒好きかどうか、ということ。そこは何とも言えません。ですから、実際に酒造りの企画に参加したり、現地まで足を運んだりする人は、日本へ旅行する人全体から見ればごくわずかなのです。

コロナ禍が落ち着いてからは、各都道府県の酒造組合や酒販店も、地元ならではの酒イベントや試飲会を積極的に企画するようになりました。ある程度日本酒の知識を身につけると、もちろん酒蔵に行きたくなります。でも、交通の便が悪い酒蔵も多く、1軒訪ねるだけで丸一日つぶれてしまうこともあります。自分の休暇を使って日本を旅する場合、こうした予定はどうしても優先順位が下がってしまいます。そこで私個人としては、「気軽に小さな酒イベントに参加したり、地元の日本酒バーで一杯ずつ飲んだりするほうが好きなんです。そうすれば、ある地域の中にあるいくつもの酒蔵から、いろいろなお酒を選んで飲み比べができる。旅のついでに、その土地の日本酒を体験するという感覚ですね。」

初心者向けに日本酒と旅の情報をまとめたサイト:酒喵逛日本

酒喵逛日本清酒達人專訪

国税庁の酒蔵マップは毎年定期的に更新されるわけではないので、行きたい場所を見つけたら、酒蔵が出している最新情報をあらためて確認する必要があります。コロナ禍を経て、通常どおり営業しているのに「現在は見学を受け付けていません」と表示している酒蔵もたくさんあります。以前は見学できたところでも、です。見学を受け付けていない大きな理由のひとつは、人手不足だと考えられます。日本の酒蔵の99%は中小企業で、正社員が5人以下という蔵も少なくありません。コロナ禍以降、接触を避けるために専用の販売スペースや一杯ずつ試飲できるコーナーを設けたり、さらにはカフェやレストランを開いたりした蔵もあり、そうなると人手は消費者と直接向き合うそちらの業務に回ります。また一方で、日本酒の醸造工程においては、雑菌の混入や外からの影響をできるだけ避けたいという事情ももちろんあります。見学ができない場合、私は面白い代わりの楽しみ方を探すようにしています。たとえば山本酒造の新しいカフェがオープンしたときは、そうした面白い新スポットも、酒蔵マップの該当エリアに一緒に載せるようにしています。

Q2. 今回の投票テーマである山田錦と雄町について、酒喵さんから皆さんに伝えたいことはありますか?

系譜上、祖先にあたる原種の雄町と、のちに経済的な目的で開発された孫世代の山田錦。どんな目的で生まれたにせよ、2024年の今、酒米を語るうえで必ず話題にのぼる存在だと言えます。この先100年、200年経っても、その地位は揺るがないと思います。なにしろ山田錦は発表されてからもう80年以上経っていますから。もちろん、山田錦の優れた特性を受け継ぐために、父親や母親として新しい酒米の育種に使われる可能性はあります。でもいずれにせよ、山田錦はもともと兵庫県の子ですから、兵庫県ではこれからもずっと使われ続けるでしょう。

酒米の優れた醸造特性と味わいは、結局のところこれからも受け継がれていくと思います。純粋に酒米の性格という観点から考えると、その共通する性質をもとに、時代ごとの消費者の好みの変化に合わせて、造り手が特性を踏まえて調整し、消費者に好まれる味を生み出していくのだと思います。

ですから、この2つの酒米で造られたお酒の味わいも、過去20年を振り返ると、同じ酒米でも風味が常に一定だったわけではありません。同じ酒蔵でこの2種類の酒米を使っている場合に絞っても、いつも同じ性格の味が保たれているわけではなく、やはり変化しています。それは、酒蔵がどれだけ幅広い味わいの多様性を表現したいかによるのです。

私がこれまで飲んできたお酒で言うと、「雄町はおじさんっぽいものから少女のような雰囲気のものまで、変化の幅がとても大きいと感じます。それに比べて山田錦は、基本的な上品さを保っている印象です。もちろん山田錦がワイルドになれないという意味ではなく、相対的に言えば、わざわざワイルドに仕上げようとは期待しない、ということです。」

熱愛清酒的酒喵於田裡插秧

また、酒米はどの年にどこで栽培されたものであっても、収穫後には必ず選別があり、等級の判定があり、それが価格に影響します。たとえば雄町が減産したり、一等米の量が減ったりすれば、価格は変動します。生産量の多い酒蔵なら契約栽培を行う経済力もあるでしょう。一方で、一般的な中小の酒蔵が理想のお酒を醸すために、限られた購買力の中で農家とどのようにコミュニケーションを取り、どんな努力をしているのか。それは一般の消費者にとって、とても興味深い話題だと思います。

たとえば山田錦は多くの人が栽培していますが、酒蔵は既存の銘柄や将来の新商品の開発にあたって、目指す品質や味わいを実現するために、栽培の技術や品質の面で、酒米の育て方をどう調整するかを農家と話し合うことがあります。日本酒の醸造工程はこれだけ多く、どの工程にもさまざまな理論ややり方があります。それぞれの工程で変数を少しずつ調整していけば、掛け合わさって、味わいの変化は無限に広がるのです。

農家にとって、耕作は単なる仕事ではなく、産業全体に関わることです。当然、収量と品質を確保することが基本になります。農地の環境とどう向き合うか、たとえば生き物の生息環境づくりや、土地に対する姿勢などは、人によって考え方が違うかもしれません。肥料の種類や、実際の細かな種類と使用量、除草剤などの使用量といった、化学物質の管理の実践については、長期的なコミュニケーションと改善が必要です。

たとえば雄町のような古い品種は、背が高く茎が長いのが特徴で、亀の尾も同じです。もともと背の高いこうした品種は、収量を上げようと肥料を与えすぎると倒伏しやすくなります。実は、これらの品種が生まれた時代には化学肥料はまだなく、動植物由来の天然肥料しかありませんでした。在来種や古代米のような稲は、自然な方法で育てるべきではないか、と考えてみてもいいのかもしれません。また近年の日本では、日本酒に限らず、焼酎やワインの業界でも、深刻な気候変動の課題に直面しています。原料の栽培や管理の問題については、産官学が連携して研究に取り組み続けていますが、成果はすぐには出ません。栽培にも試験にも時間がかかるので、一朝一夕にはいかないのです。

Q3. 初心者には、どの酒米がおすすめですか?

マーケティングの観点に立ち返ると、山田錦が最もよく知られているので、多くの人に受け入れられやすい味わいだと推測できます。また、山田錦は多くの酒蔵で使われているので、同じ酒米を入り口にしてその酒蔵の味の傾向を知り、さらに異なる酒蔵のスタイルを比べる、ということがしやすいと思います。次のステップとしては、いろいろな酒米を飲み比べて、自分の好みの味わいを見つけるのがおすすめです。酒イベントや飲食店などで一杯ずつ飲める機会があれば、ぜひ試してみてください!

酒喵さんプロフィール:日本酒のラベルの読み方講座と酒蔵旅の専門家。SSI国際唎酒師、焼酎唎酒師。2005年、北海道旭川市の男山酒造で仕込み水を飲んだことをきっかけに日本酒沼にハマる。ブログ『酒喵逛日本』は、台湾で最も「禅」な酒旅情報誌とも言われる。FB:酒喵逛日本

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